2024年注目のデジタルトランスフォーメーション銘柄3選【最新情報】

今日は、株探のDX注目銘柄で紹介されていた3銘柄について深掘りしていきます。皆さんはDX(デジタルトランスフォーメーション)をご存知でしょうか?DXは、データやデジタル技術を活用して企業のビジネスを大きく変革することを指します。最も分かりやすい例として、宅配DVDレンタル屋さんだったネットフリックスが月額定額の動画ストリーミングに転換して大成功したことが挙げられます。単なるIT化ではなく、ビジネスモデルそのものを根本から変えるような変革をDXと呼びます。

では、なぜDXが重要なのでしょうか?経済産業省のDXレポートによれば、データをうまく活用できていなかったり、古いシステムを使い続けたり、デジタルに強い人材がいなかったりすると、2025年頃に大きな損失を被る可能性があるとされています。現在、世界トップクラスの企業であるGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)は、間違いなくデータ分析に金脈を見出して成長してきた企業です。これからの時代もデータは「新しい石油」と言われるほど重要な経営資源となるでしょう。実際に、これからの10年を大いに盛り上げる企業として、テスラやパランティアが挙げられます。これらの企業はデータ分析を基盤とした事業展開をしており、テスラのイーロン・マスク氏も「テスラは電気自動車の会社でもエネルギーの会社でもなく、人工知能とロボットの会社だ」と語っています。

このように、DXは日本のみならず世界を牽引するテーマの一つであり、株式市場でも注目度が高いです。前置きが長くなりましたが、ここからは株探のDX銘柄として紹介されていた3銘柄について詳しく見ていきましょう。

エルテス(3967)

まずエルテスについてです。業績の推移を見てみると、売上はじりじりと上昇していますが、2021年の2月期は影響を受けて赤字でした。しかし、2022年には売上が1.5倍に増加し黒字に転換しています。これはビッグチェンジの予兆といえるでしょう。決算説明会資料を見てみると、エルテスはデジタルリスク、AIセキュリティ、DX推進の3つのセグメントでビジネスを展開していることがわかります。

2022年の通期予想によれば、デジタルリスク事業は微増ですが営業利益率は非常に高いです。AIセキュリティは赤字ですが、これは警備会社を買収したためであり、DX推進事業も売上が増加し赤字が縮小しています。今後の具体的な数値目標として、2024年の2月期には売上70億円、EBITDA(営業利益+減価償却費)10億円を目指しています。売上は2021年2月期の3.5倍となるため、非常に挑戦的な目標です。

EBITDAとは何か?

まず、EBITDAが何かについて簡単に説明しましょう。EBITDAは営業利益に減価償却費を加えたもので、成長過渡期の企業がシェア拡大や認知度向上のための投資を行う際に用いられる指標です。多くの場合、減価償却費は現金の支出を伴わないため、キャッシュベースでの利益を表すのに適しています。例えば、Amazonは利益をほとんど出さずに成長のために投資を続ける企業ですが、株式市場で評価されるのはこのEBITDAの成長率が非常に高いからです。

エルテスも中期的な成長と拡充を目指しており、IT業界の変化が速いため、このようなスピード感を持って進捗することは投資家にとって安心感を与える要素です。

わかる(4173)

次に、わかるについて見ていきましょう。わかるはWebサイトのアクセス解析、いわゆるデジタルマーケティングに特化した企業です。インキュベーション事業とプロダクト事業があり、どちらも月額課金制で提供されています。このビジネスモデルは非常に良いです。なぜなら、成果を上げていれば解約されにくく、単発のコンサルティングと異なり、長期的に安定した利益を上げることができるからです。

データ分析のポイントは、いかに多くのデータを集められるかにありますが、わかるの強みはこのデータをもとに提案した結果が蓄積されていくことにあります。営業利益率も高く成長性もあるため、PER(株価収益率)86倍は妥当な水準まで下がってきていると考えられます。

リスクと制約

しかし、リスクも存在します。わかるはGoogle Analyticsを主に分析しているため、Googleがアルゴリズムを変更したり、公開するデータの範囲を狭めたりすると大きな影響を受ける可能性があります。これにより、Googleを超える存在には絶対になれないという制約があります。

セラク(6199)

最後にセラクについてです。セラクは新技術領域におけるIT人材の創出に強みを持っており、個人的には農業への注目が非常に面白いと感じました。農業分野は跡取り問題や人手作業、経験と勘に頼る部分が大きいため、ここでのDXは日本社会全体の成長にとって必須の要素となっています。

セラクの資料を見ると、データ分析だけでなく、ドローンを使ってカラスを追い払ったり、収穫を行ったりするハードウェアとの連携も進めていることがわかります。例えば、農家のおじいちゃんに「このトマトを収穫してもいいですか?」とドローンが写真を撮って判断を仰ぐと、おじいちゃんの経験を持った「ドローン」が完成し、後継者問題も解決します。

目標と計画

東証一部銘柄であるセラクは、既に売上が70億円を超えていますが、今後4年間で売上を500億円にする計画を立てています。農業のDXは社会的にも大きなテーマであり、セラクもこの分野で6倍の成長を見込んでいます。

全体として、今回紹介した銘柄はどれも成長性があると感じました。特に、IT分野の変化が速い中でもスピード感を持って進捗している企業は投資家にとって魅力的です。しかし、投資は自己責任で行う必要がありますので、しっかりとリサーチを行った上で判断してください。

関連する質問と回答

Q1. DX銘柄に投資する際のリスクは何ですか?

A1. DX銘柄は成長性が高い一方で、新技術の導入や市場変動に敏感です。企業の計画が未達成の場合、株価が大きく下落するリスクがあります。また、技術革新のスピードが速いため、競合他社の動向にも注意が必要です。

Q2. わかるがGoogle Analyticsに依存しているリスクについて教えてください。

A2. わかるはGoogle Analyticsのデータを主に分析しているため、Googleがアルゴリズムを変更したり、公開するデータの範囲を狭めたりすると、わかるのビジネスに大きな影響を与える可能性があります。このため、Googleを超える存在にはなれないという制約があります。

Q3. EBITDAとは何ですか?

A3. EBITDAは「営業利益+減価償却費」を指し、成長過渡期の企業がシェア拡大や認知度向上のための投資を行う際に用いられる指標です。減価償却費は現金の支出を伴わないため、キャッシュベースでの利益を表すのに適しています。この指標は企業の成長性や投資家への信頼性を評価する際に重要です。

Q4. セラクが農業分野で注目されている理由は何ですか?

A4. セラクは農業分野におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)に注力しており、跡取り問題や人手作業、経験と勘に頼る部分をデジタル技術で解決することを目指しています。ドローンやAI技術を活用することで、農業の効率化や後継者問題の解決に取り組んでおり、これが社会的にも大きなテーマとなっています。

Q5. 投資家にとってDX銘柄の魅力は何ですか?

A5. DX銘柄の魅力は、高い成長性と市場の注目度にあります。デジタル技術を活用することで企業のビジネスモデルを根本から変革し、競争力を強化することができます。また、データ分析やAI技術の進展により、新たなビジネスチャンスが生まれるため、投資家にとって魅力的な投資先となります。しかし、投資は自己責任で行う必要があるため、しっかりとリサーチを行った上で判断することが重要です。