昨日、2021年11月22日にフェローテックが増資を発表しました。今回はその資本政策について詳しくお話しします。
目次フェローテックの背景と業績
フェローテックは半導体関連の銘柄で、2021年の相場では株価が2倍になるという驚異的な成績を収めています。私もYouTubeチャンネルで株価が上がる前に紹介しており、中長期的に見ても良い銘柄だと考えています。今期の業績も2度の上方修正を発表しており、2022年3月期には売上高が1250億円、営業利益が225億円に達する計画です。
増資の目的とその影響
今回の増資は市場から新たに資金を調達するためのものです。具体的には、この資金はフェローテックが最重要視している中国工場の増強に使われる予定です。この設備投資は非常に重要で、企業の成長に寄与するものですが、増資そのものは市場から嫌がられることが多いです。
増資が嫌がられる理由
増資が嫌がられる理由は、一株当たりの利益(EPS)が希薄化するからです。具体的に言うと、ケーキを3人で分けていたのが、増資後には7人で分けるようなイメージです。EPSは株式投資において非常に重要な指標であり、これが下がると投資家にとって不利益になります。また、株価をEPSで割ったものがPER(株価収益率)なので、EPSが下がるとPERが上がり、割高感が出てしまいます。
増資による株式総数の増加
今回の増資により、フェローテックの株式総数は1.15倍に増加します。これは、100人でケーキを分けていたのが115人に増えるようなイメージです。既存の株主からすると、これは歓迎されるものではありません。
増資のポジティブな側面
しかし、増資が必ずしも悪いことばかりではありません。フェローテックの増資の目的は、ケーキそのものを大きくすることです。つまり、設備投資によって企業の成長を図り、最終的にはEPSを増加させることが目標です。短期的には株価が下落するかもしれませんが、長期的には買いのチャンスになる可能性があります。
フェローテックの中期経営計画
フェローテックの中期経営計画(中計)を見てみると、まずは当期純利益をKPI(重要業績評価指標)として、これを伸ばしていく方針です。また、株主還元も考慮しており、株主に対する信頼を築く姿勢が見られます。2024年3月期の当期純利益150億円という目標は既に達成しており、半導体不足の影響を受けている現在、この増強は中長期的な成長を見据えたものと言えます。
投資判断と今後の展望
増資によって株価が下落すると予想される場合、これは買いのチャンスになるかもしれません。フェローテックの中計を信じられるのであれば、将来的に自社株買いが行われる可能性もあり、EPSが再び増加することが期待されます。したがって、増資発表後の株価下落は一時的なものと考え、中長期的な成長を見据えて投資する価値があると判断します。
関連する質問と回答
1. フェローテックの増資発表に対する市場の反応はどうでしたか?
市場の反応は一般的にネガティブでした。増資によって一株当たりの利益が希薄化することが嫌がられ、短期的には株価が下落する傾向があります。
2. なぜフェローテックは中国工場の増強に資金を使うのですか?
中国工場の増強は、半導体需要の増加に対応するためです。設備投資を通じて生産能力を拡大し、将来的な成長を見据えた戦略的な動きです。
3. 増資が株価に与える影響はどのようなものですか?
増資は短期的に株価下落の要因となります。しかし、長期的には設備投資による企業の成長が期待できるため、投資機会と捉えることもできます。
4. フェローテックの中期経営計画の主要な目標は何ですか?
主要な目標は、当期純利益をKPIとして成長を図ることです。また、株主還元も重視しており、株主に対する信頼を築くことも目標としています。
5. フェローテックの株を購入するタイミングはいつが良いですか?
増資発表後の株価下落時が購入のチャンスと考えられます。中長期的な成長を見据えた投資を行うことが重要です。
この記事が皆さんの投資判断の一助となれば幸いです。投資は自己責任で行いましょう。それではまたお会いしましょう。